サザンオールスターズ『葡萄』

目が痒い。
嫌な季節だ。
目薬もあまり効かない。
部屋の中にいても辛い。。

そんな季節にサザンの新しいアルバムが届いた。
タイトルは『葡萄』。
とっさに書けなかった、この字。
最近は字を書くことが少なくなった。
PCやスマホで文章を書くことがほとんどなので、すっかり漢字が書けない。
それはさておきサザンの新作。
何とオリジナル・アルバムとしては前作『キラー・ストリート』から10年ぶりとなる。
そんなになるのか、ちょっとビックリである。

アルバムは
“勝負出ろ!”
と歌われる4つ打ちのナンバー「アロエ」で幕を開ける。




限定盤に付いているブックレットの中の、桑田佳祐による全曲解説で、

アルバムにはどこかノリというか思い付きで出来たような、アナーキーで、底抜けにお気軽な曲が入っていたほうがいい。そんな持論が私にはある。これはまさにそういう一曲である。

というようなことを桑田佳祐自身が語っている。

また4つ打ちについては、

そもそも、バスドラ4つ打ちというのは、極めて合理的で、しかもどんな世界観だってハマるという、とても便利でわかり易いリズム・パターンなのだ

とも。

4つ打ち、僕もとても好きなリズムパターンである。
ある種魔法のリズムパターンではないだろうかと思っている。

「アロエ」は、僕がこのアルバムの中で特に好きな曲の一つである。

そのほか特に好きな曲を挙げていくと、
まず3曲目の「はっぴえいんど」。
素敵なメロディが優しく訴えてくる。

“旅の途中で羅針盤 キミに預けたら
 船は何度も荒海超えて Oh・・・
 夢と希望を五線譜に書き込んだら
 土砂降りの雨降る 嵐の後で
 昇る朝日がボサノヴァを歌っていた”

のフレーズが特にグッとくる。

続いては4曲目の「Missing Persons」。
ハードロック・サウンドが気持ち良い
一発録りだという、斉藤誠によるギターソロもいい感じ。
歌詞は、北朝鮮による日本人拉致問題を取り上げたもの。
歌詞より、サウンドの気持ちよさが先にくる。

次は8曲目「彼氏になりたくて」。
70年代ポップスのようなメロディのシンプルなラブソング。
切なさに胸がキュンとしてしまった。

そしてシングル曲「東京VICTORY」。
“オーオー”言ってるとこが好きじゃない。
なんかEXILEみたいだ。
でもメロディが好き。
なぜか盛り上げってしまう。
ライヴだと凄く盛り上がるような気がする。
でも、♪オーオー 言って腕を挙げたりはしないと思う僕は。
会場中そうなるんだろうけど。
ヒネクレ者?
いやいや、ただの好き嫌いです。
ちなみに「希望の轍」があまり好きじゃない僕です。




15曲目ボブ・ディラン風の字余りで始まる「バラ色の人生」。

“大人になっても
 色恋が大好きで
 希望の趣くまま

 愛の魔法で 君を酔わせて
 裸のままの自分を 曝け出したいな
 恋の波動で胸を焦がして
 完璧すぎる世間を 嗤ってやりたいな”

凄く良いアルバムだと思います。
正直サウンド面では、ありきたりのサザンばかりで目新しさはない。
なので尖がった部分は感じない。
歌詞の部分ではより自分の心情を出すようになっているけど、基本的には昔から桑田佳祐の歌はそう。
確かに社会的な部分への意識が以前より強くなってる気はするけど、歳を重ねれば誰しもそうなるもんだと思う。
ロッキングオンJAPAN4月号のインタビューで、シングルとして「ピースとハイライト」を発表したことに関し、桑田佳祐は渋谷陽一に対してこう話している。

桑田:最近は、何ですか? 恋だ愛だっていうことは正直あんまりしてないんですよね
渋谷:はははは
桑田:(笑い)これはね、渋谷さん、結構真面目な問題で。そういう意味ではねぇ、下ネタは好きだけど、すごくホットなラヴソングとか、そこに行くのはちょっと嘘だろうなぁというか。それよりもやっぱり、僕らが普段こうやって飲みながら喋ることとか ー  まぁ、書きやすかったんですけどね。だからホットなラブとかセックスとか“女呼んでブギ”とかそういうような言葉は正直あんまり出てこなかったし、ちょっと出したら嘘くさいと思って(笑)



そうだよね、そりゃ。

では何がこのアルバム『葡萄』の優れたところかというと、
メロディである。
そしてさらに、それを発端にした桑田佳祐の普遍的なポップスに対する感覚だ。
彼の研ぎ澄まされたポップス感覚は衰えるどころか、いまだ日本のミュージックシーンでは明らかに際立っている。




葡萄 (完全生産限定盤B)葡萄 (完全生産限定盤B)
サザンオールスターズ

ビクターエンタテインメント 2015-03-31
売り上げランキング : 4

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



蛇足として付け加えるなら、『葡萄』の歌詞カードの文字が大きいこと。
これはファン層の年齢を考えてのことなんだろうけど、こういうファンに寄り添ったことって大切。
嬉しかった。
CD売れないっていうけど、歌詞カードなんかどうせ字が小さくて読めないし、と思っている人たち結構いると思う。
商品戦略明らかに間違っているよね、大人が買う商品なのに文字が小さくて読めないって。

また桑田佳祐による全曲解説やインタビューなども載った、葡萄白書なるブックレットはなかなか読みごたえがあるので、ファンの方にはブックレット付の限定盤を強くオススメします!

画像


"サザンオールスターズ『葡萄』" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント