映画『風立ちぬ』

日本人として日本に生まれ、日本語にまみれ、日本語で思考しこれまでずっと生きて来たのに、思うように日本語を使って自分の感じることを表現出来ない事実に言いようのない苛立ちを感じる。
僕がブログを書くのには色んな理由があるけど、ひとつの大きな理由は、語りたいと思う音楽や映画があること。
良いとか悪いとか、好きとか嫌いとかとは別に、語りたくなる作品というものがある。
それらについて、書いてきた。
でも、自分の思うこと伝えたいことを十分に文章化出来たと感じたことは一度もない。
これは実にもどかしいことだ。
そのせいかもしれないが、本心では言葉なんかじゃ何も伝えられないと思っている。
嘘だって簡単につけるし。
受け取る側の問題もあるだろう。
しかし言葉でしか伝える方法を知らない。
実にもどかしい。。


宮崎駿監督、脚本による『風立ちぬ』をDVDで観た。
感じることが多く、色んなことを語りたくなる映画だった。
長編映画の制作からは引退するということなので、今作が宮崎駿最後の長編映画。
なのでやはりというべきか、当然のように『風立ちぬ』は、最後の作品を意識したものとなっていた。

この作品には幾つかのテーマが盛り込まれているが、イチバン肝となる部分はエゴイズムだと思う。
それも宮崎駿自身そのものともいえるクリエイターのエゴイズムを露わにしているのだ。
それもかなり大胆に。
その開けっぴろげな表現は、これまでの宮崎アニメ的なカタルシスを感じさせてくれることはない。
そしてそれは、観る人にとっては嫌悪感を抱くものではないだろうか。
特に女性の場合。
主人公は妻に何度も「きれいだ」と言う。
サバの骨をきれいだと感じるのと同じように。
そのこだわりは飛行機作りにももちろん重要な要素である。
主人公は素晴らしい飛行機を作り続ける。




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クリエイターの性を赤裸々に描いた作品だと思う。
宮崎駿は自身が持つそのクリエイターの性を自ら暴露したかったんだろうと思う。
懺悔のようなものかもしれない。
カミングアウトとも言えるのでは。

あ~、ダメだ、全く上手く伝えられないーっ!

ある意味問題作と言っていいのかもしれない。
ただ少なくとも、もう一度は観ないとこの映画の本質は分からないような気がする。
映画の作りとして不親切というか、分かりづらい表現となっている。
分からない人は、分かろうとする準備が出来てないからだ!
と言わんばかりに。
クリエイターのエゴ爆発の一作とも言えるだろう。
また、全く子供向けではない作品だと思う。
初めてじゃないだろうか、ここまで大人向けの宮崎アニメは。


僕とは違う、言葉使いの上手い頭のいい解説や感想をどうぞ








予告編とは随分イメージの違う映画だった。
戦争時代を描いているが、
「戦争? そんなん知らんがな!」
という映画である。
乱暴にひとことでこの映画を説明するなら。


自分のきれいなところだけを主人公に見せる妻菜穂子がたまらなく不憫でした。


貴方は、ピラミッドのある世界とピラミッドのない世界のどちらを選びますか?


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この記事へのコメント

2014年07月29日 21:30
宮崎駿監督作品は とにかく好きなので
嫌悪感なぞありません。

東京大震災の描写も丁寧かつ迫力があり 空への情熱も 胸を打ちます。
あの時代の女性ならではの芯の強さも印象に残ってます。
ジャム
2014年07月30日 07:57
主人公の声が庵野だと言うのに驚きました。でも、違和感はなかったですね。後は庵野が宮さんの意志を継いで、ナウシカ2を作ってくれれば最高なんですけど。
そういえば、ドラマの『アオイホノオ』面白いです。
2014年07月30日 22:38
>ひるのまりさん

主人公の妹も言ってましたが、彼はやはり薄情すぎます。
見舞いも行かないし。
菜緒子さんが不憫で仕方なかったです。
恐るべしクリエイター!というのが率直な感想。
でも映画としてはクオリティ高いと思います。
2014年07月30日 22:42
>ジャムさん

庵野のあの心のこもっていない声が、主人公にはぴったりだったかもしれません。
ナウシカ2は、庵野は作りたいんだけれど、宮崎駿が却下したという話を随分前にプロデューサーの鈴木さんが言ってました。
それとそのドラマ及びマンガ見てないけど噂は知ってます。
若かりし庵野とか出てくるんですよね。
ジャム
2014年07月31日 12:39
庵野とか岡田斗司夫とかいろんな人が出てきて面白いです。最初にこれはフィクションであるというところが逆に怪しいです。
http://www.tv-tokyo.co.jp/aoihonoo/
宮崎駿はその後、庵野ならいいかと言ったという話も聞きました。
2014年07月31日 23:14
>ジャムさん

>宮崎駿はその後、庵野ならいいかと言ったという話も聞きました。

へ~、そうなんですか。
でもとりあえず、彼にはエヴァの続きを早く作ってもらいたいです。
来年ですかね?
ジャム
2014年08月02日 07:53
そうそう早いとこエヴァに決着つけないと庵野は次に行けませんね。

ぜんぜん話し変わりますけどここの動画↓
http://www.dieantwoord.com/
やばいです。
2014年08月03日 00:12
>ジャムさん

動画観ました。
ちょっと苦手かも、映像。
音的にはいい感じ。
プロディジーをイメージしてしまいました。
2014年09月08日 23:37
遅ればせながら。劇場で2回、DVD借りてきて1回の計3回観ました。宮崎作品で一番好きかも。ポニョ観た時も一番好きかもと言っていたので、最新作が一番好きなのかも知れません。アニメーターとしての執拗なまでの動きに対するこだわり、特に関東大震災のシーンと風や水の表現の仕方は流石です。堀越二郎の無機質な冷たさはアニメ作りに没頭して家族ほったらかしだった自分の姿と重ねているように思えますが、それを懺悔するでもなく、クリエイターなんてそういうものと冷たく言い放つような宮崎監督のクールな姿勢に鳥肌が立ちました。庵野監督ぴったりでしたね。
2014年09月09日 00:41
>カナさん

クオリティは高いと思うのですが、厳しすぎるなぁ、というのが僕の感想です。
捉え方なんだろうけど、もう少し優しい世界が僕は好きみたいです。
これで最後の長編作かと思うと、とても残念です。
短編に期待したいです!

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