佐野元春『VISITORS』30周年

今年のFUJI ROCK FESTIVAL ’14 (7月25日) に佐野元春が登場する。
そしてなんとそのステージでは、アルバム『VISITORS』収録全曲を演奏するという。

FUJI ROCK FESTIVAL 公式サイト


佐野元春が1984年に発表したアルバム『VISITORS』は、ファンのみならず、多くのリスナーや音楽関係者に大きな衝撃を与える一枚となった。

VISITORSVISITORS
佐野元春

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オリジナル・アルバムとしてはその前作となる『SOMEDAY』が大絶賛され、翌年に発表されたベストアルバム『No Damage』はチャートNO.1を獲得。
当時の佐野元春は日本のポップミュージックーシーンのトップランナーとして、サザンオールスターズとともに高い評価と人気を得ていた。
しかしブームと言えるほど盛り上がっている人気を尻目に、彼は『No Damage』リリース後単身ニューヨークに渡る。
そしてヒップ・ホップなどその地での新しい音楽ムーヴメントに触れ、大きな影響を受けながら新しい作品を制作。
そうして出来上がったのがアルバム『VISITORS』であった。
大きな期待の中発売されたアルバムは、予想通りアルバム・チャートのNO.1を獲得するが、日本のメジャーシーン初のヒップホップを大幅に導入した作品といわれるほど、それまでの佐野元春作品とは大きく異なる内容に、賛否両論の声が上がった。
いや否ではなく、戸惑いといった方が正しかったと思う。
僕も最初聴いたときの感想は、

メロディがない!?

だった。

だからといって気に入らなかったのかというと、それは違う。
以前までの佐野元春との違い、聴く前に予想していたものとの違いによる違和感はあったが、割とすんなり新しい佐野元春を僕は受け入れることが出来た。
そういう人が多かったのだと思う。
みんなが大好きな『SOMEDAY』とは全く異なるテイストに戸惑うことはあっても、僕たちは新しい佐野元春にフィットした。
あの頃、時代は明らかに新しい日本のポップ・ミュージックを待ち望んでいた。
多くの佐野元春ファンもそうだった。
そこに『VISITORS』。
タイミングとしてはバッチリだった。
アルバム発表後に行われたツアーでは、以前の曲の多くが、VISITORSテイストに姿を変えて歌われた。
歌詞を聴くまで何の曲か分からなかったりもした。
しかし僕たちはそのことにガッカリすることはなかった。
変化を求めていた時代だったのだと思う。

不思議なことに、ヒップホップが日本でも珍しくないような今の時代に聴く『VISITORS』収録曲は、どれもとてもポップでな楽曲に感じる。
メロディだって聴き取れる。
それら収録曲を今初めて現代の若者たちが聴いたなら、誰もこれがヒップホップだとは思わないだろう。
そう、今聴くアルバム『VISITORS』収録曲たちはどれもポップソングにしか聴こえないのである。
時代とはそういう風にして変わっていく。




いまや『VISITORS』はヒップホップ・アルバムではないかもしれない、ただ間違いないのは、当時の日本のポップミュージックシーンにおいてはとても異質な作品であったし、エポック・メイキングな作品だったという事。




このアルバムが発売されたのは1985年。
ランDMCが「ウォーク・ディス・ウェイ」(1986年)をヒットさせるより前である。
なぜ「ウォーク・ディス・ウェイ」を例えに出したかというと、この曲のヒットが日本でヒップ・ホップを一般的に認知させるきっかけとなった最初の曲ではないかと思うからだ。
音楽ファンのみならず、お茶の間レベルでの一般化はさらに数年後の、MCハマーの登場を待たなければならなかったが。
つまりヒップ・ホップという音楽スタイルは当時はまだまだ一般的でなく、とても取っ付きにくいものだったのだ。



『VISITORS』リリースから30周年となる2014年、上述したように、このアルバムをヒップ・ホップ・アルバムと認識するのは難しい。
つまり時代が求めるポップスは常に変化しているということ。


ところで、
今、世界的にはEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)が大人気だという。
日本ではそれほどでもないが、それでもデヴィッド・ゲッタなどは人気があるみたいだ。
僕自身は好みではないタイプの音楽だけど、ユーロ・ビートが以前あんなにも流行ったんだから、日本でも何かきっかけがあれば大ブレイクしそうである。
80年代テイスト満載で、新しいアプローチはあまり大きく感じられないEDM、なんでそんなに世界は夢中になるのだろう?
時代は今、変化を求めていないのかもしれない。
そんな時には新しい音楽も生まれないだろう。
そしてベテラン・アーティストのみが巨万の富をさらに増やしていく。
ローリング・ストーンズやブルース・スプリングスティーンやマドンナはコンサート・ツアーにおいて莫大な収益をあげている。
レッド・ツェッペリン再結成ツアーへの期待はとてつもなく大きい。
しかし、同じフォーマットで勝負して、誰が彼らに勝てるというのだろうか。

今、時は2014年である。

とかなんとか言いながらも、
ポップなメロディと、4つ打ちのダンスビートの融合には弱い僕です。
なので↓なんかで盛り上がる人の気持ちはとてもよく分かります。




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今年の30周年において、『VISITORS』30周年記念のデラックス・エディション盤が秋ごろ発売されるようです。
『VISITORS』30周年公式サイト
内容が気になるところです。


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