『オンノジ』 施川ユウキ

『オンノジ』というマンガを読んだ。
泣いた。
泣いてしまった。
マンガ読んで泣いたのは『3月のライオン』以来だ。
生きることを肯定し、強い希望を感じさせてくれるラストに心が震えた。

オンノジ (ヤングチャンピオン・コミックス) (ヤングチャンピオンコミックス)オンノジ (ヤングチャンピオン・コミックス) (ヤングチャンピオンコミックス)
施川ユウキ

秋田書店 2013-04-19
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



どういうマンガかというと、4コマのギャグマンガ。
それで泣くのか?
ハイっ!
泣くんです!!

主人公は小学生の女の子ミヤコ。
ある日気付けば世界でたった一人だけになっていた。
理由は分からない。

画像




















声を出して何度か笑ってしまった。
少しシュールな部分もあるが、単純に面白い。
時折一人ぼっちの寂しさを感じさせる表現も挟み込まれる。
(これが少しずつ後になって効いてきたりする)
しかし基本、無邪気にそして楽観的にミヤコは生きる。
そんなある日、彼女はフラミンゴと出会う。
そのフラミンゴ、もとは男子中学生だったのだが、ある朝突然フラミンゴになっていたという。
物語中でも触れられるが、まるでカフカの『変身』のようだ。
ミヤコはそんなフラミンゴに“オンノジ”というあだ名を付ける。

画像




















連載前に3・11の大震災が起こり、そのことが内容への大きな影響を与えたようである。

作者である施川ユウキのインタビュー。

世界中の人々が突然いなくなってしまうという不条理。
これはまさにあの大震災と重なるものだと思える。


切ないシーンを含みながらもギャグ中心に物語は進んでいく。
そしてラスト2回(1回で4コマが7~8本)で、物語は急激に加速しクライマックスへと進んでいく。

ラストだけを見れば、割とよくあるパターンなのかもしれない。
しかし、そこまでの持っていき方がとても素晴らしいと思う。
もしかしたら、人によってはあまり大きな感動はないのかもしれない。
でも僕にはとてつもない傑作に思える。
少しでもマンガに興味がある人には、是非とも読んでもらいたい。
全1巻だし。
とにかく色んな人に勧めたくなる、そんな作品なのであります。


それにしてもマンガって素晴らしいな。
今さらながらに、強く思う。

この日本が世界に誇るマンガというポップカルチャーを、クールジャパンの一つとして世界に売り込もうという政策がある。
これ自体は正しい政策だと思うけど、こんなにも素晴らしいポップカルチャーを、その本質については何も分かっていない政治家のクソ汚い手に触られ、奴らの都合のいい道具としていいように扱われのだと思うと虫唾が走る思いだ。

物語の中でミヤコは、
いつまでたっても、世界は歩みよってはくれません
と手紙に書く。
いっこうに歩み寄ってくれない世界に対峙しつつも、僕たちは生きていかなければならない。
そんな時に有効なのは、けして希望なんか語りはしない政治家ではなく、『オンノジ』のようなマンガだったりする。
生きることに希望を感じさせ、そして肯定してくれるからだ。
僕はそんなものに寄り添いながら生きていきたい。
いや、正確にいうと、寄り添っていないととてもじゃないが生き抜いていけない、と思っている。

物語の中でオンノジが言う。

世界は終わらない
絶えず始まる続ける




ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

ナイス

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック