ブルース・スプリングスティーン 『HIGH HOPES』 ボーナスDVD付

格差の何が悪いのか、とホリエモンは言う。
格差があるだけなら(程度の問題はあるが)いいと思う。
でも格差があっても楽しく暮らしていけるようなシステムが必要だと思うし、格差は変化可能な流動的なものではある必要があると思う。
格差が固定されようとしているように感じる。
私立の学校へ子どもを通わせる親の気持ちが最近分かるようになってきた。
このままでは日本の将来は暗いと思ってしまう。

さてブルース・スプリングスティーンのニューアルバムが発売された。
これまでにすでにライヴで演奏されてきた曲やカバー、未発表曲で構成されている。
こう書くと新作ぽい新鮮さがないように感じるかもしれないが、れっきとした新作。
聴けば感じてもらえるのでは、と思うが、その大きな理由の一つはレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのギタリストであるトム・モレロが8曲で参加していること。
彼のギターが予想以上に、スプリングスティーンの音楽に新しい魅力を加えているのだ。
その意味でも、アルバム『ハイ・ホープス』はかなり強力な素晴らしい新作となっている。

また今作にはボーナスDVDがついた商品があるのだが(日本盤は初回限定盤に付いている)、このDVDの内容はというと、昨年のロンドンでのライブ映像である。
それも世界的に超メガヒットとなった84年のアルバム『ボーン・イン・ザ・USA』を全曲再現したライヴの模様である。
昨年6月30日のライブ中盤より立て続けに演奏されたものだが、僕は当初このライヴDVDが観たくてこの新作の購入に胸をときめかしていた。
正直、僕個人的にはアルバム『ボーン・イン・ザ・USA』がスプリングスティーンのアルバムの中で特に好きな作品というわけではない。
しかし高校生の頃リアルタイムで購入し、翌年の来日公演で涙した僕にとってはとても観てみたいライヴ映像。

というわけで、まずはライヴDVDの方から観ることに。
ボーナスDVDから観るなんて、もしかして邪道?

アルバムの曲順通りまずは「ボーン・イン・ザ・USA」。
僕は日本盤を買ったので、訳詩が字幕で出てくる。
これはとてもいいよ。
また日本盤という事で対訳や解説など、日本語のライナーノーツが付いてるのだが、
これがいい。
何がいいかというと、その内容以上に、字が大きいこと。
スプリングスティーンのファン層の中心は、やはり小さな字が見えにくい世代。
これまで僕がずっと不満に思っていた、ライナーノーツの字の小ささの問題を解消してくれている。
これはけっこう感激である。
ライナーノーツの内容でいうと、
自分の政治的主義主張を入れ過ぎてるんじゃないか、湯川れい子!
と、ちょっと思ったということを言っておきたい。
で全曲ライヴ演奏された『ボーン・イン・ザ・USA』だが、意外と「ダンシング・イン・ザ・ダーク」が良かったりする。
この曲、発売当時はあまり好きではなかった。
いわゆる“セルアウト”的な感じがしたし、シンセのリフが耳につくし、ナンパなヒット狙いのポップチューンのように当時は感じられたからだ。
でもここ数年はこの曲がかなり好きになっている。
単純にメロディがいいし、歌詞もスプリングスティーン的だ。
名曲とまではいかないかもしれないが、いい曲だと思う。
アルバムの曲順通り、最後は「マイ・ホームタウン」。
夕陽の中オーディエンスの歌声が響く。
とても贅沢なボーナスDVD。
やはり買うならコチラでしょう!

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で、肝心のアルバム『ハイ・ホープス』であるが、
アルバム冒頭の3曲が特に素晴らしい。
まずはオープニングとなるアルバム・タイトル曲「ハイ・ホープス」。



これは 87年のティム・スコット・マッコネリの楽曲をカバーしたもの。
アルバムタイトル曲に相応しい力強さがたまらなく、熱いものがグッとこみ上げてくる。
ホーンセクションの音がとてもスリリングだ。
僕はどうもホーンセクションの音が好きになれないのだが、ここで聴けるホーンはこの曲に欠かせないとても魅力的なものとなっている。
実はこの曲は以前にも録音され、ドキュメンタリーフィルム『ブラッド・ブラザーズ』に付いていたEPに収録されている。
しかし今作でのニュー・ヴァージョンの方が圧倒的なパワーを感じる。
この曲を聴きながら街を歩いていると、踏み込む足にいつも以上の力が入ってしまっていることに気付く。
続く 「ハリーズ・プレイス」も踏み込む足に力が入ってしまう曲だ。
これはアルバム『ライジング』のレコーディング時に録音されたものに、トム・モレロのギターを加えたもの。
トム・モレロのハードなギターの音には力がみなぎって来る。
また、亡きクラレンス・クレモンズのサックスの響きも聴ける。
続いては、ファンにはすでにおなじみの「アメリカン・スキン(41Shots)」。
これまで聴いたヴァージョンより、さらに感動的に響く。
トム・モレロとの共演の意味の大きさを特に感じさせられる一曲だ。
この曲は実際に起きた事件を基に作られた作品である。
その事件は、99年ニューヨーク市のブロンクス区で起こった。
ギニア人移民の若者が、非武装だったにも関わらず、懐の財布を探そうとした動作を、銃を抜こうとしたと勘違いされ、4人の白人警官から銃撃を受けて死亡したのだ。
その際浴びた銃弾の数、なんと41発!!
4人の警官は起訴されることとなったのだが、評決は無罪。
これを受けスプリングスティーンは「アメリカン・スキン(41Shots)」を作りライヴで演奏。
すると、この曲に対し、ニューヨーク市警組合は抗議を込めて、スリリングスティーンのニューヨークでのライヴの警備をボイコットすることを呼び掛けるという反発行動に出た。



アルバム全体としていいのはもちろんだが、中でもハイライトはこの冒頭3曲だと僕は思う。
この3曲だけのために購入しても十分価値のある、ロック・スピリット溢れる一枚。

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それにしても、トム・モレロのギターが、こんなにスプリングスティーンの作品に合うとは、まったく想像できなかった。
正直かなりビックリである。


ブルース・スプリングスティーンに関して書くときはいつも言ってるかもしれないが、来日してほしい。
ほんま頼みますわ、BOSS!!

今度こそ!!!!

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この記事へのコメント

toshi
2014年02月09日 23:53
'85年のライブは代々木まで観に行きました。ショーを観ているようで楽しかった。歳をとったせいかか最近はライブに行っていないけれど、ライブをしているボスの方が歳上なんだよなあ……。
2014年02月10日 00:11
>toshiさん

あの来日公演は最高でしたね。
僕は感動のあまり泣いてしまいました。
ライヴどんどん行きましょう!
ジャム
2014年02月10日 12:35
私は「ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード」が特にお気に入りです。トム・モレロのBOSSに対する愛が溢れとりますね。
2014年02月11日 12:30
>ジャムさん

レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンは以前から好きですが、まさかトム・モレロとスプリングスティーンが一緒にプレイすることでこんな新しいマジックが生まれるなんて、全く予想できませんでした。
2014年02月24日 23:32
ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョードがやっぱり出来がいいですね
新旧の出会いという感じでした
和音を大事にするボスと不協和音も平気で使うトムの違いもしっかりわかりました

日本とオーストラリアのバンド特集をやりましたので時間があったらのぞいてやってください

日本http://shinshu.fm/MHz/64.90/archives/0000435727.html
オーストラリアhttp://shinshu.fm/MHz/64.90/archives/0000435759.html
2014年02月26日 02:05
>akakadさん

「ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード」は以前のヴァージョンと比べて随分パワーを感じる音になってますね。
カッコいいと思います。
トム・モレロ恐るべし!!
それでは早速ブログにお邪魔させていただきます。
バニー
2014年07月29日 23:34
ここに来てこれだけの作品を発表できる、ブルーススプリングスティーンという人間に感服。やっぱりこの人は本物だ。ザ、ゴーストオブ、トムジョード、最高傑作の一つに間違いなく入るだろう。
2014年07月30日 22:44
>バニーさん

そうですよね、凄いですよねスプリングスティーン。
ぜひその姿を日本のステージで見せてほしいです。
ギャラの問題なのか、日本が嫌いなのか。
とにかくもう一度生で彼のステージを体験したいです!

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