村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』

読んでる時が楽しい小説、それが僕にとって好きな小説のひとつの大きな条件。
村上春樹の小説は全て読んでる時が楽しい。
楽しい、というと少し違うかもしれないな。
なんと表現すればいいのだろう?
しっくりくる、
というのが的確かな。
これは村上春樹の小説を読んでるといつも感じる感覚だ。
この感覚は、他の作家の小説では感じられない。
面白いとか、面白くないとか、
良いとか、悪いとか、
などとは全く別次元の話。
音楽だとストーンズを聴いているときに、同じことを感じる。
ストーンズのグルーヴだけが唯一しっくりくる。
とても心地よい。
村上春樹の小説とローリング・ストーンズの音楽は僕をとても心地よい気持ちにしてくれる。
いつもこんな心地よさの中で、生きていくことが出来たらな~、
と心底思う。
当然、そんなことはありえないのだけど。


村上春樹が『1Q84』以来となる長編小説を発表した。
フリークでもある僕は当然発売日に購入。

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
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まだ発売して間がないし、彼の小説は比喩的表現の嵐なので一度読んだだけでは読み取れないとこも多分にある(今までの経験上)。
なので詳しい内容には触れないが、簡単に感想を言うと、
あまり長編ぽい感じがしなかった。
基本的にはいつもの村上春樹である。
なのでいつものように、逃れることのできない人の弱さが描かれている。
主人公は復活というか、再生というか、新生というか、はたまた成長というか、そういうものにたどり着こうとする。
『1Q84』と比較するなら、ストーリー展開は乏しい。
もちろん分量的な違いもあるが。
しかし僕としては感情移入できるところも多く、そして何より、
前述のようにやはり読んでてしっくりくるので、楽しい時間が過ごせた。
読み終えてしまうのが寂しかった。
でも村上春樹の小説が特別好きではない人や、これまで一度も村上春樹の小説を読んだことがない人には、特にオススメしようとは思えない。
そんな人たちにオススメするならかな

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村上春樹の3作目となる『羊をめぐる冒険』は、前2作から続く3部作のひとつとなるが、ここから読み始めても十分楽しめる作品。
簡単にいえば、北海道にとある羊を探しに行くという話であるのだが、村上春樹の小説の中ではもっとも物語性に富んだ作品だと思う。

またこの作品にはさらに続編、羊をめぐる冒険から数年たった主人公が再び北海道を訪れる『ダンス・ダンス・ダンス』という作品がある。
『羊をめぐる冒険』が気に入ったならば、是非こちらも!

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『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』の中に出てくる、ラザール・ベルマンによるリストの「Le Mal du Pays」、どんな曲か気になったのでダウンロードしてみた。
(CDなさそうなのです)

第1年《スイス》 S160:ノスタルジア第1年《スイス》 S160:ノスタルジア
ラザール・ベルマン

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聴きながらシロがピアノを弾く情景を思い浮かべてみる。

ちょっと泣きそうになる。


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この記事へのコメント

toshi
2013年04月15日 19:33
経済的理由から文庫本になるまで買えないので、しばらくはモヤモヤしながら過ごすことになりそう。まだ1Q84も読んでいません……。文庫本とはいえ6冊ですから。
リュウ
2013年04月15日 21:17
今晩は♪
読まれましたか!!しっくりくる、確かに♪いつもの村上春樹、彼の等身大に戻った感がありますよね!
そして、羊、ダンス、ハードボイルドは特にお気に入りです♪
2013年04月15日 23:19
>toshiさん

図書館などで借りれるかもですよ。
でも、予約待ちとかなのかな??
2013年04月15日 23:24
>リュウさん

僕もその3作とても大好きです。
あと『ねじまき鳥クロニクル』や『1973年のピンボール』『ノルウェイの森』なども大好きです。
基本全部好きなんですけどね。
V.J.
2013年04月16日 08:49
名盤ちゃんにとって、村上春樹はSTONESなんだね。
俺にとってはねぇ、元春みたいな感じ。

デビューからの3部作があまりにも素晴らしすぎて(特に3作目)
結局、その幻影を追い求めつつ、悪くないけど、なかなかのめり込めない。
時には離れた時もある。

でもね、元春はコヨーテアルバムから、新たなギアが入りZOEYで、現代のSOMEDAYをものにした。
村上春樹のZOEYはいつまで経っても出てこない。

そんな感じの人です。
2013年04月16日 21:39
>V.J.さん

ストーンズの曲と同じで嫌いな小説がないな。
もちろんすごく好きなのと、それほどでもないのはあるけど。

元春は変化を望む人だと思う、でも村上春樹はそれほど変化を望む人ではないんじゃないかな~

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