ブルース・スプリングスティーン 『レッキング・ボール』

社会保障と税の一体改革と銘うちながら、増税の話ばかりで、社会保障がどうなるか、どうすべきかなんて話は何もしてくれない野田総理。
消費税上げるのはいいけど、上げたらどうなるのか?
それが問題なのに、上げるか上げないかのみの話が宙を舞ってる。
マスコミもそればかり。
もっと、社会保障について報じてくれよ。
ダメだやっぱり、政治家もマスコミも。
というわけで、あんな人たちには任せてられない。
ていうか、これまで任せていた自分たちの無責任さが、この体たらくの原因だ。
やはり、自分たちの問題は自分たちで解決しなけりゃ。

というわけで、そのようなフレーズをタイトルにした「WE TAKE CARE OF OUR OWN」から始まる、ブルース・スプリングスティーン最新アルバム『WRECKING BALL』が今日のお題。

Wrecking BallWrecking Ball
Bruce Springsteen

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上述したようにオープニング曲であり、このアルバムからの1stシングルでもある「WE TAKE CARE OF OUR OWN」は、もう国家なんかあてにしてはいられないという思いからか、

“自分たちの面倒は自分たちでみる”

というタイトルのフレーズがくりかえされる。

力強く歌われるこのナンバーが、今作の色合いを鮮やかに示しているといえる。
「BORN IN THE USA」で歌われた時より、スプリングスティーンはアメリカに怒っている。
「BORN IN THE USA」は、割合的にはアメリカへの怒りより、アメリカへの愛の方が勝っていたと思う。
しかし「WE TAKE CARE OF OUR OWN」では、明らかにアメリカへの怒りの方が勝っている。
もちろん根本にあるのはアメリカへの愛だと思うが、愛を基に歌われる歌は怒りの歌となって放たれている。




アルバムタイトル曲の「WRECKING BALL」はすでにライヴでも演奏されていて、ロンドンのハイドパークでのライヴを収めたDVDにもボーナストラックとしてジャイアンツ・スタジアムでのライヴが収録されている。


ジャイアンツ・スタジアムが取り壊されることに端を発して作られた楽曲。


ロッキングオン5月号掲載のインタビューで、スプリングスティーンはこの曲について、

「レッキング・ボール」は新たなものを建てるために何かを破壊したという事実を元に書いたメタファーであり、また今アメリカ人の根源的な価値観が完璧に破壊されたことをイメージして書いた曲でもあるんだ


と話している。

僕はこの曲が、今作の中では一番好きだ。
厳しい時代に立ち向かっていくための勇気が湧いてくる!




ちなみにレッキングボールとは、建造物等を破壊する時にクレーンにつるして使う大きな鉄球のこと。
あさま山荘事件の映像で観られるあれです(たとえが古すぎるか・・・)。


「レッキング・ボール」に続いて特に好きなのが、これまたライヴですでに披露されていた10曲目の「LAND OF HOPE AND DREAMS」。
スプリングスティーン節全開である。
またこの曲には、昨年亡くなってしまったクラレンス・クレモンズの、いかにも彼らしい素敵なサックスがフィーチャーされている。
ライブで聴きたい曲だ(来日予定はあいかわらずないようだけど)。

ただこの曲に関して(曲自体の問題では全くないのだが)、とても気になることがある。
それは訳詩。
訳詩が欲しくて、輸入盤に比べ1000円程も高い国内盤を買ったのに、ちょっとこの訳はどうなのよ!?
と、モノ申したいとこがある。
この曲の中で、

THIS TRAIN

というフレーズが頻繁に出てくるのだが、
訳詩を見るとこのTHIS TRAINがなんと、

この汽車は・・・

と訳されているのである。

汽車!?

いつの時代だ??

この曲は、アメリカの古い曲を元に作られたらしい。
確かに、その当時は汽車だったろう。
でもスプリングスティーンは、現代を歌う、現代のロックミュージシャンである。
現代の問題を、現代の人に向けて、現在のスプリングスティーンが歌っているのである。
それなのに、なんで汽車だ!!??
60歳を過ぎても、常に現代という時代とともに音楽を作り発信し続けているスプリングスティーン(だからこそ、アルバムは全米NO.1獲得だ)に、この訳はダメだろう。
ダメだと思うのですよ、三浦さん(訳者)。


もう一度ロッキングオンのインタビューからの引用だが、スプリングスティーンはこんなことを言ってる。

「俺の作品というのは常に、アメリカの現実とアメリカン・ドリームの距離を計るものだったんだ。俺は、その距離が今どれくらい離れているのかを常に描いてきた。」


そうなんだと思う。
ずっとアメリカの今と向かい合ってきたのだ彼は。
だからこそ多くのアメリカ人が、彼の音楽に共感するのである。

で日本人の僕が何故彼の音楽に共感するか、
それはアメリカと向かい合い、アメリカに向けて歌っている彼の歌が実に普遍性に満ちたものだからだ。
もちろん、メロディやアレンジやヴォーカルがとてつもなく素晴らしいことも大きな要因なのだけど。


とにかく、またしても素晴らしいアルバムです。
アメリカ人だけに楽しませてはいけません。
日本人も聴きましょう!
そして、スプリングスティーンのことを採りあげるたびに書いてるけど、
来日祈願!!
クラレンス・クレモンズはいなくなってしまったけど、もう一度だけ生で観たいっ。








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この記事へのコメント

V.J.
2012年04月05日 00:05
>それはアメリカと向かい合い、アメリカに向けて歌っている彼の歌が実に普遍性に満ちたものだからだ。

うん。
でも、俺は何故、長渕某には共感出来ないのだろうか…

>もちろん、メロディやアレンジやヴォーカルがとてつもなく素晴らしい

やっぱ、詩を越えた所で曲の素晴らしさがあってこそなんだろうね。
でもやっぱ、詩が分からないと楽しみは半減するのかな。

実は、アナログを注文していて、一緒に頼んだ別のアナログが届かないために、まだスプリングスティーンの新譜を聴けてないんだ(苦笑)
2012年04月05日 00:38
>V.J.さん

長渕剛は10代の時大好きだったんだが。

>詩が分からないと楽しみは半減するのかな。

もし佐野元春の歌詞の意味が分からなかったら、楽しみは半減するような気がする。
言葉が持つニュアンスとかは、やっぱり訳詩では伝わってこないんだと思う。
それでもスプリングスティーンは感動するけど。

それにしてもやっぱりアナログなんだね。
もう僕はアナログプレーヤーの上にいろんなものが乗ってます。。
2012年04月20日 21:36
iTunesで落としましたがいいアルバムですね
Magic以降音がまろやかで非常に聞きやすいです
ケルト民謡に手を出すとは思いませんでしたよ
以前のように叫ばなくても凄みが伝わってきました
2012年04月21日 00:09
>akakadさん

いいアルバムですよね。ラップや打ち込みの導入などもあり、Eストリートバンドとではないコラボレーションが上手く作用しているように思います。
次のアルバムは、ぜひEストリートバンドと作ってほしいところではありますが。

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