3月のライオン

最近TSUTAYAでマンガをレンタルすることが多い。
学生の頃は、色んなマンガを片っ端から読んでいたのだが、働き出してからは徐々に読まなくなっていった。
流行ってるものの中から、何か自分に感じるものがあったもの(画の感じや、評判などを聞いたり読んだりして)だけをチョイスしていくつかの人気作は読んできたが、なかなか以前と比べるとすっかり疎くなっている。
日本が世界に誇る、この愛すべきマンガという表現。
僕は大好きなはずなのに。


マンガが日常にあふれ出したのは僕より少し上の世代からだと思う(僕は今44歳)。
そして今では当たり前のようにマンガは、表現として大きな勢力を築き上げ、子供から大人までを魅了している。
しかも今では、日本だけでなく多くの海外の国でも日本のマンガは表現として大きな人気を博し始めている。
にもかかわらず、僕より下の世代でも、まだまだマンガという表現形態そのものがレベルの低いくだらないものと考えている人がいる。
これには驚く。
もちろんマンガの中には、レベルの高いものもあれば低いものもあるだろう。
音楽や文学や絵画や映画などと同じように。


さて、最近読み始めて心にグッときたマンガがある。

3月のライオンというマンガだ。

3月のライオン (1) (ジェッツコミックス)3月のライオン (1) (ジェッツコミックス)
羽海野 チカ

白泉社 2008-02-22
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大ヒットし映画化もされたマンガ『ハチミツとクローバー』の作者羽海野チカによる、将棋を題材とした青年マンガ。

主人公は中学生でプロの棋士となった、一人暮らしの高校生桐山零。
事故で親と妹を失い、行き場のない気持ちから逃げるように将棋に没頭している。
しかし、偶然出会ったあかり・ひなた・モモの川本3姉妹との触れあいの中、失くしたものを取り戻すかのように成長していく。

そんな物語。


なんか、たまらなく抱きしめたくなるような作品である。
また同時に抱きしめられたくなるような気持ちにもなってくる。

この作品で羽海野チカが描く、優しい空気感。
それは、
生きていくうえで避けられない心の痛み、非常な現実、底知れぬ戸惑いや不安そして恐怖、
などで傷ついた心に優しく触れてくる。
そしてそれは、今にも壊れそうで、震えている自分の中にある得体の知れない何かを刺激する。
癒しなのかな?
少し妙な感じ。
安らぎのようであるが、
にしては不安も付きまとっている。
何だろう、この感じ??
もろくて軟らかくて、暖かい
そんなような・・・・
う~ん、上手く言葉で説明できないのがもどかしい。
しかし、時にそんな感じになれるおかげで、なんとか日々を切り抜けていけるのも事実だったりする。

生きるということは、とても厄介なことである。
僕はあまりお金を持っていない。
しかし特別貧乏でもない。
今のところは健康だ。
そんなに僕にとって、生きていくことはそんなに楽しく心地よいものではない。
自分を上手くコントロールできなかったり、頭が上手く回らなかったり、どうも理解が出来なかったり、いつもそれなりの結果になったり、フラストレーションだけが積み重なっていくような毎日である。
それはただ単に、楽しさを感知する能力が不足しているだけのような気もする(「何しても喜ばない」と、恋人から非難されたことが何度かある)。
ただそうだとしても、生きていくことが楽しく心地よいものでないことには変らない。
そんなことうだうだ言ってるんなら、死んでしまえばいい!
と思う人がいるだろう。
その通り、死んでしまえばいいのだ。
でも死を選ぼうとは思わない。
なぜなら、死ぬのが怖いからというのもあるが、それ以上に、まだ諦めていないからだ。
色んなことに対して。
僕はかなり諦めの悪い人間である。

僕は主人公の桐山零のように、何かに没頭しそれを突き詰めるようなことは出来ていない。
それでも『3月のライオン』は、こんな諦めの悪い、ただただあがいてるだけの僕を肯定してくれてるような気がする。
自分勝手な思い込みだが、表現を受け取るということはそういうことでもあるはずだ。
『3月のライオン』の肯定は、僕にとってとても力強い味方なのだ。

3月のライオン 1-5巻コミックセット (ジェッツコミックス)3月のライオン 1-5巻コミックセット (ジェッツコミックス)
羽海野 チカ

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この記事へのコメント

まり
2011年06月05日 09:01
「もしドラ」とかTVでたまに見たりしますが 経営理論の本と女子高生と 野球という結びつかないものを 上手く組み合わせてるのが新鮮でした。
没頭できるものがあるのは生きていくうえでは 武器みたいなもんでしょうか?
マンガの原作ドラマは夢中になったりします。
仮想の世界でも熱くなりたいのが人間ですよね!
名盤!
2011年06月05日 23:27
>まりさん

「もしドラ」は本もテレビも見てないですが、本は大ヒットでしたね。
企画(表紙のイラストの効果が大)の勝利ですね。
ドラッカーはあまり興味ないですが。
仮想と現実をどういう風に結びつけるかで、受け取り方が当然ながら随分変りますね。

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