ブルース・スプリングスティーン新作

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ブルース・スプリングスティーンのニューアルバム『DEVILS&DUST』を聴いた。今作はアコースティック主体の作品ということで、『ネブラスカ』や『ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード』(僕はあまりこの2作は好きではない)のような地味な音を予測していた。しかし、アコースティック主体とはいえビート感のある曲もあり(ドラムはキース・リチャーズのソロ作等に参加しているスティーヴ・ジョーダン)、アンプラグドなバンドサウンドといった感じで、前述の2作とは異なり地味という印象はない。スプリングスティーンらしいメロディも健在だ。正直あまり大きな期待をせずに聴いたのだが、無茶苦茶良いぞこれっ!歴史的大傑作アルバム『BORN TO RUN』でEストリートバンドと共に聴かせてくれたような、センチメンタルでドラマチックなサウンドはないが、その分スプリングスティーンのヴォーカルがより胸に響いてくる感動作だ。
昨年大統領選挙への関心を集めるべく、REMやジャクソン・ブラウンなどと行ったツアーの甲斐もなくブッシュが再選。それを受けてのこの新作だけに政治色の強い内容になるかと思ったが、直接的にそう感じさせるのは、オープニングに収められたタイトルチューンのみ。


正義でありたいと願う 神が命令する愛を見つけたい
神が命ずる信仰を見つけたいと願う 
俺の指は引き金に でも今夜は信仰だけでは乗り切れそうもない
俺の心を覗き込めば そこにあるのはただ悪魔と砂ぼこり

神は俺の味方 なんとか生き延びたい
しかし生き延びるための行為が 愛するものを殺してしまったらどうしよう
恐怖には危険な力がある それは心をどす黒くもすれば
神を恐れる魂を 悪魔と砂ぼこりで満たしもする
                               「デビルズ・アンド・ダスト」

僕が歳をとったからか、彼が歳をとったからか、たんにアコースティックなサウンドだからか、このアルバムでのスプリングスティーンのヴォーカルはとても暖かく響く。
冴えない人生を呪うように生きる者の、視線から歌われる曲に、妙に居心地良くなってしまう。そして、とりあえず明日を迎える。とても、しょぼい。でも明日が来るなら、まだ望みはあるってことだ。カート・コバーンにはなれない(なりたくもない)。


そう、昔の恐れや失敗は ベイビー、なかなか消えないもの
おまえがはめていた 指輪の跡のように
いい時は来て、そして去っていく ベイビー、家までずっと送っていくよ

愛が残すのはただ影と霞だけ でも人は生きつづける、それが人の悲しい性
バンドが古いストーンズの曲をやってる 下手糞だけど
おまえが踊りたい気分なら ベイビー、俺と踊らないかい
                              「オール・ザ・ウェイ・ホーム」

このアルバムは、全米アルバムチャートの1位になった。アメリカには、まだまだ彼の歌を必要としている人がいる。もちろん日本にも。世界中の打ちひしがれた人々が、今作を聴くだろう。そこから紡ぎだされる夢が、世の中を幸せにすればいいのに、と思う。
なんて思う自分の単純なセンチメンタルさに「どーうよ!?」と、突っ込みながら、もう一回このアルバムを再生させてみた。

Devils & Dust
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この記事へのコメント

2005年05月23日 04:49
こんばんわ。
正直、最近のスプリングスティーンには関心がもてなくなっていたんですが、この文を読んで新作聴いてみたくなりました。
2005年05月23日 17:08
カナさんコメントどうもありがとう。
ぜひ聴いてみて下さい。そして、それについてブログに書いてください。また、お邪魔します。

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